小話少々 飛ばされないで 忍者ブログ
腐向です。 閲覧注意! 銀新・新八受け
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銀新
気持ちエロ注意のつもり
雰囲気


+ + + + + + + + + +





強く風が吹き荒れる夜は、 愛しい人と交わる。
余所からの刺激を完全に断ち切るために。
疲れ果てて、 どろどろの体で死んだように眠るために。



「ん……ふぁっ、 っんぁっ」
漏れる声を、 今夜ばかりは抑える必要がないのに。 それでもつい、 上下の唇を固く閉ざしてしまう。 習い性みたいなものだ。
そのことに不満を訴えるような深く抉られる感覚に、 強すぎる快感と、 鈍い痛みと、 忘れていた違和感が甦り、 耐えられなくなって思わず高い声が上がった。
それを褒めるように緩やかになる動きに、 今度は快感だけが僕の頭を占めるようになる。

ぎゅっと瞑った瞼に銀さんの、 多分、 汗が落ちたのを感じた。

どこからか入り込んだ隙間風のせいか、 それとも僕らの常より激しい情事のせいか、
―多分、 後者。 がたがた音を鳴らす立て付けの悪い襖。
正常な判断力を失った僕らはその音にすら煽られるように薄暗い部屋の中で睦みあう。




雷が怖いとか、 台風が怖いとか、 そんなありふれた恐怖じゃない。
土砂降りの雨だって、 翌日のぬかるんだ地面を思い憂鬱になるだけだ。


「っあっぁっあっあぁっあっぁっんふ……、 んぁっ……」
最早、 銀さんの律動に合わせて零れる声を抑えることは叶わないほどに高まった体の熱。
一刻も早く欲望を発散したいと思う体とは裏腹に、 心はまだ足りないと叫ぶ。
心得たように動きを鈍らせる銀さんは、 きっと、 本当に解っているんだろう。
潤滑剤だとか、 先刻吐き出した熱だとか汗だとかで潤いに満ちた結合部分に指を這わせながら、 ぐちゅりと音を立てて僕の中を掻きまわした。
ぐるりと一周、 内壁が余すことなく熱い熱に触れる。
もう一周、 少しの刺激も逃すまいと貪欲に緊張する神経。
更に一周、 なだめるように与えられる感覚に慰められる。
達するには足りない快感に翻弄され、 今度こそ僕は理性を手放せた。





昔から、 苦手だった。
雨戸を閉めて、 隙間はきちんと補修して。
それでもごぉっと頭を駆け巡るのは風の音。
庭木が限界まで反り返る。 いくつかの砂利は飛ばされて場所を変え、 翌日には当たり前のようにその場に馴染んでいる。
誰も、 石ころの一つ一つに注意なんて向けていないからだ。 昨日より三メートル北に移動したことなんて気にも留めない。

窓ガラス沿いに覗く、 隣家の明かりもきっと、 僕のことなんて気にしていない。
ひっそりと、 それでも精一杯の力を込めて発した助けを求める言葉も、 全て風の音に飲み込まれて、 声を出す気力ごと根こそぎ削り取られて。
だから僕は、 翌朝には何事もなかったように素知らぬ顔をして 「お早うございます。 昨晩は風が強かったですね。」 なんてごみを出しながら門前で世間話を交わす。
昨日とは違う場所に居るのに。




「っっぅ…………っ……あぁっ……」
とりとめなく思い起こした、 できれば放っておいてやりたかった記憶のせいか、 それとも与えられ過ぎた快楽のせいか、 どっちでも良かった。
ただ意味の無い涙を流すことは気持ち良い。

銀さんは弁えたようにそっと目尻に唇を寄せて水滴を吸い取ってくれた。
いつもなら僕が行為の途中で泣き出すと、 からかうような口調で 「あらら、 泣くほど気持ちいーの? いやらしいなァ」 なんて羞恥を煽るようなことを言うくせに。

今日は、 違う。
まるで儀式のようにひたすらに快感だけを享受するように僕は義務付けられている。
他には何も要らない。 何も考える必要はない。
ただ体と、 既にまともに考える能力を失った脳味噌を銀さんで一杯にすれば良い。 恥ずかしがる余裕なんてないほど満たされれば良い。
溢れだし、 僕の体から滴り落ちる銀さんを想像した。

重力に逆らいいつまでもまとわりつく銀さん。
風呂場で洗い流しても僅かに残っていた銀さんが繁殖して、 すぐにまた全身に広がる。
体を拭いたタオルから伝染していく銀さん。 まるで病原菌。
空気中に溶け出した銀さんを吸い込むたびに、 僕の体は銀さんに蝕まれる。
脳を最初にやられたのだから、 抗ったって無駄なのに、 僕は必死に手洗いうがい。
水道の蛇口に、 コップの淵に銀さん。 
いずれ僕は銀さんの混じった空気でしか生きられない体になってしまう。 それ以外は全てアレルゲン。
優しい銀さんはきっともう僕の傍を離れられない。
どんなに強い風が吹いて、 周囲に漂う銀さんを遠くに追いやっても常に銀さんが発する銀さんがぼくを包みこんでぼくのからだにぎんさんがみちる。
ぎんさんぎんさんぎんさんぎんさんぎんさん

呼ぶごとに返事を返してくれるだろう、 今みたいに。 「どうした? 新八」





「っふっ……ぅうぁぁあああっ!!」

熱を吐き出した瞬間、 薄らいでいく意識の中で、 銀さんが泣いているような気がした。
……怒っているのかもしれない。 この人の表情は時折わけが解らなくなる。

音も光も思いさえも届かない暗闇に引きずり込まれる直前、 それだけが気がかりだった。








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