ほんの少しで良い。
周囲が気付くか気付かないかの瀬戸際。 本当に少しだけ、 背伸びしてくれないかなァ。
一センチ、 一ミリでも、 お前が近づいてくれるとそれだけで俺は空だって飛べる。
身長差に不満があるわけではない。
十一センチ差。 同性の連れ添いにしては開いた距離に愛しささえ募る。
見上げるように首を傾け、 上目遣いになる瞳が好ましい。 年頃の平均身長に僅かに足りていないところがいかにも新八だ。
俺が求めるのは、 「少しでも銀さんに近づきたい」 なんて健気なことを考えてばれないようにそっと、 つま先に力を込めるいじらしさ。
隣を歩く眼鏡をじっと見下ろす。
人情に聡いお前なら、 きっと俺の考えてることが判るはずだ。 念を送るようにじっとり見つめた。
「何じろじろ見てるんですか? お菓子なら買いませんよ。 誰かさんが仕事しないから、 余分なもの買う余裕なんてないんです!」
怒られた。
まぁな、 視線だけで俺の考えが解るようならこいつエスパーだもんな。
そんなの怖いから。 普段考えているやらしいこと筒抜けだったら困るし。
仕方なく、 俺が新八に少しでも近づけるように少し屈んで歩いてみた。
きっと普段より近くにある俺の顔を妙に意識して、 赤く染まった顔を隠すように俯いて、 それでもチラチラと盗み見るように目線だけで俺の様子を伺うはずだ。
なんて愛くるしいんだろう。
「ちょっと銀さん、 姿勢悪いですよみっともない! しゃきっとしてくださいよ、 アンタこれ以上だらしなくなるつもりですか?」
怒られた。
男の乙女心をこいつは全くわかっていない。
そんな察しが悪いところもやっぱり新八らしくて可愛いなァなんて思った。
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