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腐向です。 閲覧注意! 銀新・新八受け
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銀新成立10分前くらい





ある日、 喉の奥につっかえていた異物がすとんと胃に落ちていくように。
腑に落ちた。
すうっと消えていった違和感に逆に違和感を感じるほど急激に。 しかしあくまで自然に。 戸惑うことさえ許されない。

―あ~、 俺こいつのこと好きだったんだ。
―あ……、 僕この人のこと好きだったんだ。

どうやら異物は、 少しずつ時間をかけて身体に馴染んでしまったようだ。
今では全身に、 隅々まで行き渡っている。
気付いたときには体中にこびりついていた。 外気に触れる皮膚の表面から臓器の一番奥深く、 どんな最新医療でも手が届かない場所に至るまで。
いくらきれいに磨いても、 落ちることはない。
寧ろ磨けば磨くほど深く浸透していく。

老廃物として体外に排出しては新たに摂取してきた栄養素。
炭水化物たんぱく質脂質、 そしてこの途方も無く大きな愛情。 ビタミン、 ミネラル。
無くなるとこの体はきっと支えを失ってぐしゃり、 崩れてしまう。



「私は最初っから気付いてたネ、 お前ら二人が好き合ってることくらい。 工場長なめんなよ!」

階段を勢いよく下りながら得意げに言う神楽。
面食らった様子の二人を見てにひひ、 と笑う。

銀時と新八が己の気持ちを悟ったのはほぼ同時だった。
スナックお登勢の店先に止めてある原付き。
銀時は後部座席に新八が乗り込んだ重みを感じた瞬間。
新八は運転席に跨る銀時の腰に手を添えた瞬間。
あまりに近くにある存在が、 たまらなく愛しく思えたのだ。


「何ぼ~っとしてるアルかっ! お前ら気付いたんだろ。 さっさと告白するネ! 私が帰って来るまでにちゃんとくっついてなかったらしばき倒してやるからな」

行儀悪く酢昆布を咥えながらにやつく姿は銀時そっくりだ。
言うだけ言うと、 定春にまたがってあっという間に遠ざかっていった。 もう姿が見えない。
おそらくいつも行く公園にでも出かけたのだろう。 思いっきり遊んだ後は顔も手も足も服も靴も定春も泥だらけ。 それでも彼女は日が暮れる前にはここに帰ってくる。
新八が口を酸っぱくして何度も彼女に刻み込んだ成果だ。

「どうして、 神楽ちゃん気付いてたんでしょう……。」

顔を見合わせて、 いつもと寸分違わない調子の声を発しても、 交わる視線に熱が篭るのは抑えようがなかった。
思いは瞳から滲み出る。 
眼球を潤すための涙。 こぼれないほどささやかな雫。
そのわずかな体液にまで溶け込んでいるのだから。
きっと、 この身体を抱きしめられたらじゅっと滴り落ちてくる。 出汁をたっぷり蓄えた、 おでんのはんぺんになった気分。

「さぁな。 ガキの癖に妙にませたところがあるからなァあいつは……。」
高まる熱を自覚しながら、 銀時は言葉を返す。

神楽のことはともかく、 銀時と新八は一言も発していなかったはず。
己の気持ちを悟った瞬間、 相手の気持ちまでじわり。 胸に沁み込んでいたことに二人とも気付いていない。

ごく自然に、 相手の気持ちも腑に落ちていた。

「とりあえず、 ここじゃ恥ずかしいから。 一旦上戻ろうぜ。」
跨っていた原付きを離れ、 ヘルメットを外しながら階段を上がる。
「……そう、 ですね。」
新八も静かに、 その後に続く。 そろり、 そろりと注意深く。 
この瞬間が現実であることを願いながら。

これから相手に伝えるだろう言葉を、 頭の中で繰り返す。
ただ判りきった当たり前のことを、 これから二人で話し合う。 確認しあう。 新たな繋がりが生まれる。
それだけのことに、 どうしようもなく緊張した。




―気付いてて当たり前ネ。
この神楽様は、 お前らがお互いのことを好きな気持ちと同じくらい、 お前らのことが大好きなんだからな!

遠ざかる万事屋を背に、 定春に跨った神楽は堪えきれない笑みをこぼし続ける。

二人が思いを寄せ合っていることに気付いたのはずっと前。
万事屋に身を寄せるようになって暫くのことだった。
銀時と軽口を叩くようになった頃。
新八に甘えるようになった頃。

荒れ狂う強風の中、 ふと台風の目に足を踏み入れたような感覚に、 それまで渦巻いていた心細さや不満が静まり返っていることを思い知った。
ぷかりと、 晴れた空なんてまともに見たことはないけれど自分の中にはきっと今、 陽が浮かんでいる。
夜兎族である神楽には少し眩しすぎる光。 それは銀時のだらしなさとか、 新八の口煩さとかで相殺されて。 調和の取れた木漏れ日のよう。
ぴたりと、 まるで自分のために誂えたような具合の良さ。

―あぁ、 私はこの二人のことが好きアル。
そして、この二人も私のことが好きで、 でももっとずっと深い「好き」がこいつらの間には淀んでいる。

神楽はすんなり腑に落ちたのだ。

先刻の二人の顔を思い出して笑いが込み上げる。
どうあがいても動かしようのない純然たる事実を己の中に発見した顔。
その物体の全体像を眺めようと少し離れてみても、 大き過ぎてただ見上げるばかり。 胸の内に潜んでいた禍々しいほど巨大な思いに、 それまで気付かなかったことが不思議だ。
唐突に姿を現したそれを、 ぽかんと口を開けて眺めている間抜け面。
かつての自分も、 きっとあんな顔をした。


大好きな二人のことがもっと大好きになる。
片隅に燻るほんの少しの寂しさは、 きっと夕方万事屋に帰って、 大好きな二人に「お帰り」と言われた瞬間、 吹き飛ぶはずだ。
それに「ただいま」と返した瞬間、 消え失せる。

だから今日はいつもの公園には行かない。
「寂しい」なんて気持ち、 あの二人に会ってからずっと忘れていた感情なのだから。
誰も居ないところでひっそりと堪能するのだ。

定春と二人で、 この幸せを噛み締めよう。






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銀さんの頭。 いつも僕の目線より少し高い位置にある。
白髪のように見える銀髪。 本人はコンプレックスに感じている天パ。
決して態度に表したことはないが、 僕は彼の頭髪が好きだ。
ただ黒く、 真っ直ぐなだけという平凡な自分の頭に不満があるわけではない。
それでも僕とは正反対の髪質に少しだけ、 憧れる。
きっと無いものねだりなんだろう。 銀さんも僕の髪の毛を羨むことがあるし。

その白髪天パがソファの肘掛からはみ出していた。
居間の入り口手前側のソファ。そこからぴょこんと飛び出している。

ふわふわふわふわふわふわ

呼吸に合わせて肩が動く。 呼応して頭が動く。
その微弱な動きは、 銀さんの心地よさ気な寝顔と相まって彼の髪を更に軽やかに見せた。

―触りたい
という衝動を抑えることなく、 ふわふわに手を伸ばす。



「…………ごわごわ……。」
触れた瞬間思わず口をついた呟きは、 銀さんの寝息に掻き消された。

思いの他硬く太い髪質から生ぬるい体温が伝わってきた。 思わず手を引けば、 軽く差し込んだだけの指に絡まった毛髪の軽い抵抗感。

想像では、 触れた瞬間ほわんと暖かく、 優しく僕の手をくすぐる柔らかな感触が味わえるはずだった。
タンポポの綿毛のような、 そっと握っても形を崩してしまう儚さ。 ガラス細工のように硬質な繊細さ、 それでも不思議と感じる温もり。
定春の毛に柔軟剤をたっぷり使って、 のどかな日差しに充分さらしたらきっとそうなる。
僕はそういったものを求めていたのだ。

―そうだこれは三十路手前のおっさんの頭じゃないか。

思わず吐いた溜息に、 眠っていた銀さんが目を覚ます。

「人の頭勝手に触っといて溜息は無ェんじゃねーの。」
「……確かにそうっスけど……、 すいません、 何か期待はずれだったんで。」

憮然とした顔を向けられたが、 僕だってすごくがっかりしたのだ。
この人の髪はもっと上質であるべきだった。
自分でも理不尽だと感じる言い分だが、 こればかりはしょうがない。
つい恨めしげに睨んでしまう。

「何だよ、 人が折角気持ちよく寝てたのに……。」

昼間から惰眠を貪るおっさんに、 僕はなんて夢を見ていたんだろう。
ぶつぶつと文句を垂れる天パを前に更に大きな溜息を吐いた。



以来、 銀さんの真っ白でふわふわの頭に妙な憧れを抱くのは止んだ。
それでも、 触り心地の悪いおっさんの頭に時々手を伸ばしてしまうのは止められなかった。

彼が困ったような顔をして頭を掻き毟っているとき、 くるくるの髪が風を受けてふわふわとそよいでいるとき、 陽の輝きを受けて反射した光がやけに眩しく感じられたとき。

ふとした瞬間、 無意識にも似た反応で僕の手は彼の頭に引き寄せられる。
その度に望んだものとは違う感触に落胆した。




もしかすると僕は、 ただこの人に触れていたいだけなのかもしれない。





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タカチン→新八



手は多分繋げない。 腕を組むのも無理がある。 肩なら自然に組めるかな……。
もちろん口づけなんてする間柄ではない。

可能なこと、 不可能なことを一つ一つ数え上げる。

甘さの無い、 親密な距離。

このつながりを守るため、 恋慕の情を秘め続けるか。 
ありえない可能性に賭けて告げてみようか。


俺は恐らく生涯悩み続ける。










俺が生まれて初めて、 全てを投げ打ってでも手に入れたいと思ったのは、 ただの地味な駄眼鏡だった。
決死の思いで手に入れたのは、 やはりただの駄眼鏡だった。
いつの間にか何より大切になってしまっていた駄眼鏡だった。
こいつだけは失うわけにはいかない。

どうしたらあいつを手放さずに済むんだ。

―誰も答えてはくれなかった。





欲しいと思ったもの、 大切だと思ったもの。
それらの大部分は奪われてきた。 心無い人たちに、 僕を取り巻く環境に、 己の無力に。
残ったものはもう何一つ手放したくない。 それでもきっと時が来たらどれも僕の傍から発っていくものばかりだった。

だけど、 どうかこの人だけは奪わないでください。

―誰に祈るでもなくただ、 願った。





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