小話少々 忍者ブログ
腐向です。 閲覧注意! 銀新・新八受け
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一昨日、洗濯をしました。
比較的家事に関してはずぼらな私にしてはまめなことに、冬でも三日に一回は洗濯機を回しています。
夏はもう少し頻繁になります。洗濯が好きなのです。
掃除はあまりしませんが、汚れた衣類を溜めることは滅多にありません。

今どきの住宅は室内に洗濯機を置く場所があるのが普通ですが、我が家は屋外のベランダにしかありません。なぜなら今どきの住宅ではないからです。

洗濯機の奏でるがたんごとんに耳を傾け、一回目の濯ぎが終わるタイミングを見計らって柔軟剤を投入するのが我が流派。二回目の濯ぎが始まる前に短い脱水があります。理想としては二回目の濯ぎの入水中にれのあを入れたいものですが、そうすると短い脱水の間ずっとそわそわしてしまいます。

一回目の濯ぎの排水音が聞こえたのでいそいそとベランダに続く扉を開けました。
従順なしもべのように定められた洗濯コースを文句一つ言わずにこなす洗濯機の姿は日常的過ぎて、この扉の先にそれ以外の光景など思い浮かびようがありません。
しかしその固定観念を打ち破り、ベランダはいくつもの小さな噴水によって水浸しにされていました。
おそらく三~四日前の急激な寒気によって、ただでさえ五年以上酷使し続けて老朽化したホースが一気に劣化したのではないでしょうか。

まさに箱庭。
一畳ほどのスペースにミニチュアスプリンクラーまでついているという、精巧に作られた模型のようです。もちろん芝生なんて生えてないけど。

小さいながらもなかなか勢いのある噴水が、私のささやかな植木鉢菜園にかかっていないか心配です。
洗剤の溶け込んだ洗濯排水は農薬としてリサイクルすべきではありません。
植木鉢を非難させて、とりあえずはいつも通りに洗濯を終えました。
予想外のアクシデントの副産物として理想通りのタイミングでれのあを投入することができましたが、喜びは感じませんでした。

そして昨日、粗方水気の飛んだベランダでホースの補修作業を執り行う予定でした。
劣化してひび割れた部分にビニールテープをぐるぐる巻きにしておけば暫くは平穏な洗濯ライフを過ごせるはずです。ホースの円周が半分以上裂けている箇所もありました。
そこから覗いた未知の世界の様子をお知らせします。



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ほんの少しで良い。
周囲が気付くか気付かないかの瀬戸際。 本当に少しだけ、 背伸びしてくれないかなァ。
一センチ、 一ミリでも、 お前が近づいてくれるとそれだけで俺は空だって飛べる。

身長差に不満があるわけではない。
十一センチ差。 同性の連れ添いにしては開いた距離に愛しささえ募る。
見上げるように首を傾け、 上目遣いになる瞳が好ましい。 年頃の平均身長に僅かに足りていないところがいかにも新八だ。
俺が求めるのは、 「少しでも銀さんに近づきたい」 なんて健気なことを考えてばれないようにそっと、 つま先に力を込めるいじらしさ。

隣を歩く眼鏡をじっと見下ろす。
人情に聡いお前なら、 きっと俺の考えてることが判るはずだ。 念を送るようにじっとり見つめた。

「何じろじろ見てるんですか? お菓子なら買いませんよ。 誰かさんが仕事しないから、 余分なもの買う余裕なんてないんです!」

怒られた。
まぁな、 視線だけで俺の考えが解るようならこいつエスパーだもんな。
そんなの怖いから。 普段考えているやらしいこと筒抜けだったら困るし。

仕方なく、 俺が新八に少しでも近づけるように少し屈んで歩いてみた。
きっと普段より近くにある俺の顔を妙に意識して、 赤く染まった顔を隠すように俯いて、 それでもチラチラと盗み見るように目線だけで俺の様子を伺うはずだ。
なんて愛くるしいんだろう。

「ちょっと銀さん、 姿勢悪いですよみっともない! しゃきっとしてくださいよ、 アンタこれ以上だらしなくなるつもりですか?」

怒られた。
男の乙女心をこいつは全くわかっていない。
そんな察しが悪いところもやっぱり新八らしくて可愛いなァなんて思った。








万事屋





正月は苦手だ。

皆が皆、 新たな一年に向けた抱負とやらを掲げ、 そんなもの一月も経てば忘れてしまうのだろうに、 それでも 「今年こそは!」 なんて鼻息荒く、 決意に目を輝かせている。
新八も、 神楽も。

俺はそんな二人を見て彼らの決意が無駄になることを祈っているダメな大人だ。

だって日々めまぐるしく成長する二人にただでさえこの身はすくむ。 それなのに、 目標なんて持ってそれに見合う努力を続けて加速した成長速度では、 あっという間に俺の手を離れる日が来て、 個々の人生を歩み出すに決まってる。


なぁ頼むから前ばっかり向いてないで、 たまには後ろを振り返ってみろよ。
余裕綽々の顔して胸の内ではみっともなくあがいているダメな大人を置いていかないでくれよ。


いくらダメな大人でも新八と神楽の成長を阻害する気持ちは毛頭ない。
二人の歩みを一番間近で眺めるのは俺だ。 自分でも呆れるほどの独占欲。
この子供たちは俺の傍でぬくぬくと大きくなる。 本人さえ気付かないような、 去年と今年、 先月と今月、 先週と今週、 昨日と今日の差異を、 誰よりも早く見つけてやるのだ。
そのことに堪えがたい喜びが湧き上がる。
ただ、 ほんの少しだけ歩幅を緩めて欲しいだけだ。

成熟した二人が真っ先に別れを告げるのは、 きっと俺だから。





いつの日か、 幾分か背が伸びて、 それでも相変わらず駄眼鏡な新八がいつものように掃除でもしながら、 少し畏まって告げる。
「道場の復興の目処が立ったんです。 これからは恒道館道場当主として、 一層剣術に励んでいくつもりです。 今まで、 本当にありがとうございました。」
改まってアンタにこうやってお礼を言うのは何だか恥ずかしいですね、 なんて寂しそうに笑う顔に少年だった頃の面影を探している自分に気付いたとき、 俺は新八がもう子供ではなくなってしまったのだと理解する。

押入れにすっぽり収まってしまう小さな神楽は、 果てしなく広大な宇宙を多分父親と一緒に駆け回る。
こいつにかかれば宇宙だって窮屈だろう。 それくらい、 のびのびと。
「じゃぁ、 ちょっくら行ってくるアルよ~。 今まで世話になったナ。」
新八とは違いあまりにもあっけらかんとした顔で軽い言葉を残して。
明るい笑い声は幼さを残したままで心配ばかりが募るが、 それでもあいつなら大丈夫だろうという確信を持ち、 黙って見送る。

手のかかる子供たちはそれぞれに己の道を歩むのだろう。 俺を残して。
大切な宝物には輝かしい未来を。 一寸の狂いもなく正解だ。 決して遠い未来じゃない。
きっと、 祝福できるはずだ。

そして俺は二人の残した痕跡、 例えば新八が掃除機をぶつけたときにできた柱の傷や、 神楽が乱暴に開け閉めしたことで立て付けの悪くなった襖なんかを目にする度に万事屋に木霊するかつては確かに傍にあった二人の笑い声に包まれる。
その瞬間から始まるのは、 長過ぎる余生。
色とりどりの思い出を一つ一つ手にとって懐かしんでいる間に終わりが来るはずだ。

俺の人生は、 こいつらと過ごした時間そのものであって欲しい。





「僕、 今年こそは銀さんの糖尿を治して見せます!」
「私もネ! 今年こそ銀ちゃんの足臭いのフローラルにしてみせるアル!」

「……。 お前ら、 自分の抱負は自分の力でなんとかしなさい。」
告げられた二人の抱負はどちらも銀時に委ねられたものだった。
輝く二対の瞳はまっすぐに、 淀んだ一対の瞳に向けられる。
 
銀さんの抱負は何ですか?
銀ちゃんは抱負決めたアルか?

毎年肥大化する望みは年々確固たる形状を築いてきた。

今年も三人と一匹で笑いあいたいな
少しでも長くこいつらと過ごせたらな
いっそのことずっと一緒に居たいな


叶えること決しては許されない願いは祈ることすら罪だ。 与えられた果報に満足できず、 もっと、 もっとと求めてしまう。
そうさせているのは紛れもなくこいつらだ。
俺の心中などまるで無視して更に欲を煽るようなことをしてのける。
二人の言葉は当たり前のように今年も俺の傍に居ることを示していて、 もしかするとこれが毎年続いてくれるのではないかなんて期待を抱かせる。 そんなはずないのに、 そうであって欲しいと思ってしまう。
その期待はやがて来る別れをひたすら悲しく演出するものでしかない。
それでも俺は元凶たる二人の視線から目を背けられずにいる。 だって心地よすぎるのだ。


「俺は新八のアイドルオタク卒業させて、 神楽の大食い止めて、 定春の噛み癖を直す。」
胸に仕舞い込んだ、 幼い二人には重過ぎる願いを悟られないように軽口で返した。
図らずとも 「今年も一緒に居る」 ことを表した言葉になってしまったが、 これくらいは許されるだろう。
心外だと訴える不満顔二つと、 後ろからがぶりと噛み付かれた痛みが愛おしい。 ……マゾっ気があるわけじゃねーけど。

「お前らの抱負だって似たようなもんだろ、 俺は糖尿でもねーし足臭くもねーよ」


誰からともなく繋がれた手は俺の願いを肯定してくれているようで、 どうしてこんなにも幸せなんだろうなんて浮かれて、 口を滑らせたくなる。

俺の、 家族になってくれないかな
 

今年も膨らんだ願いが、 とっくに叶えられていることに銀時が気付くことはなかった。



 




「宣誓っ!
……俺は、 何があってもお前より一分、 一秒でも長く生きることをここに、 誓いますっ!」

これまでの短くはないが長いとも言えない半生、 銀時はあまりに多くのものを失い過ぎた。
仲間だとか絆だとか、 矜持だとか…… そんな青臭い、 それでもきっと必要だったものたち。

新八がこれからの生で失うもの。
それを少しでも僅かなものにするためならどんなことでもしてのける覚悟があった。
何よりも愛しいから。
例え、 己が新八を失っても。

だから、 誓ってみた。




「……奇遇ですね、 僕もアンタより先に死ぬ気はありませんから。 安心して僕より先に死んでくださいね。」

幼いうちに大切な人を失った新八もまた、 考えは同じだった。
記憶には残せなかった、 それでも確かに与えられていたはずの愛情。 平穏や団欒。 いくつかはきっと、 取り戻せた。 愛しきものによって。

だから、 銀時には何一つ失って欲しくはない。 だって何よりも大切なのだ。
例え、 己が銀時を失っても。




失っては取り戻した。 互いの空虚を埋めあっては共有した。 生まれたものを育んだ。
二人で築いた心は強大で、 同等。




仕方なく、 互いを守りあって生きることを二人で誓った。






明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。



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