万事屋風味
「新八の手ェ冷た過ぎるアル!」
風呂上り、 髪を乾かしてもらう時うなじに触れた冷たい感触に神楽は首を竦めた。
「あぁ、 ごめんね。 さっきまでお皿洗ってたから……。」
申し訳なさそうに眉を下げて、 神楽の肌に触れないように慎重な手つきになる。
粗方水気の飛んだ髪に満足して、 新八の右手をとる。
訝しげな表情に構わず、その手を自分の両手で覆う。
冷たくて少しがさがさしてる、 優しい手。 自分より少しだけ大きいのが癪だ。 もっと小さかったら隙間無く包み込むことが出来るのに……。
「神楽ちゃんの手はあったかいね。」
神楽の行動の意味を悟ったのか、 新八は柔らかく微笑んだ。
「何々? 新八、 お前そんな手ェ冷えてんの?」
横から割って入ってきた銀時に向けられる神楽のムッとした顔。
怯むことなく銀時は空いている新八の左手をとった。
神楽の手より大きな新八の手より大きな銀時の手。
それにすっぽりと覆われた新八の左手を見て神楽は更に不機嫌な顔になる。
「アンタにもうちょっと甲斐性があったら湯沸かし器買えるんですけどね……。」
ちくりと言われた嫌味を銀時は片眉を上げることで聞き流す。
その軽い仕草にも苛立ちが募った。
「新八ィ! 安心するネ。 お前の手はこの工場長様が直々に温めてやるアル。」
「安心しろ新八ィ。 銀さんがこうやって暖めてやるから問題無ェだろ。」
同時に響く二人の声に、 銀時と神楽は互いを睨み合い、 新八は困ったように笑った。
「マダオのごっつい手なんかより女の子のしっとり柔らかすべすべの手が良いに決まってるネ!」
「小娘のちんちくりんの手なんかより銀さんの包容力溢れる男らしい手のほうが良いよなァ。」
「はいはい、 どっちもあったかいですよ。 二人ともありがとうございます。」
三人の体温を均一にするために、 競うように大切な手を握り締めた。
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